ブローチは、いつものコーディネートや小物に1点投入するだけでコーディネートの印象をガラッと変えることができる特別なアクセサリーです。ブローチのデザインを変えることで、上品なイメージはもちろん、おしゃれな印象や個性的な雰囲気をプラスすることができ、おしゃれの幅をぐっと広げてくれます。しかしブローチの正しい付け方が分からないと、せっかくのお気に入りのブローチの魅力が半減してしまいます。
それにブローチをつけるとなると、服に穴が開いてしまうのが気になるところ。服が傷んでしまうと思うとなかなかつけにくいと思っている方もいるのでは?でも、ブローチの穴を目立たなくする付け方や、外した後の穴をなおす裏技があるんです。
今回は洋服にブローチを正しく付ける方法と、ブローチであいてしまった穴を目立たなくする裏技についてご紹介していきます。これらの情報を参考に、あなたもブローチを取り入れたおしゃれを楽しみましょう。ぜひ、ブローチで華やかな装いを演出してみてくださいね。
ブローチをおしゃれに着こなすための基本技術
ブローチをつける場合は適切な位置につけることが大切です。普段使いとしては、ブラウスやカーディガンの襟元に付けるのが一般的です。フォーマルな場では、ドレスやボレロ、スーツのジャケットの左胸につけるのがおすすめです。洋服のデザインやシルエットに合わせて、ブローチの位置を工夫することで、おしゃれな印象をさらに高めることができます。
正しいブローチの付け方とポイントの解説
ブローチをつけるとき、ただなんとなくつけてしまっていませんか?実はブローチの付け方にもポイントがあってポイントをおさえることでブローチの重さによる負荷が最小限にすみ、洋服を傷めにくくなるのです。
ピンの針の先を外側向き、もしくは下向きになるように刺す
ピンの針先を外側にした向きになるように刺し、できるだけブローチのピンの幅いっぱいまでしっかりと幅広く洋服の生地をピンですくうことで、服の生地をいためず、ブローチを落としにくくなります。
ブローチは、左側につけるのが一般的
次にブローチの位置ですが、一般的には他の人の目線に入りやすく、右利きの人がつけやすい左側につけることが一般的です。特にブローチをつけたい位置が決まっていない場合は、左胸に着けておくとよいでしょう。
ブローチを左胸につける際は、襟元か、胸よりも上の鎖骨の真下(くぼんでいるあたり)につける
ブローチをつける場合は、鏡を見てバランスを考慮してみてください。鎖骨の真下あたりにつけると、美しく上品にみせてくれます。逆に胸元あたりにつけてしまうと、昭和感が漂うだけでなく、見る人の目線が下になってしまい元気がない印象や少しだらしのない印象になってしまうことも。
また、なるべく顔周りに近い位置にブローチを付けることで、顔まわりの全体的な印象がパッと明るくなり、顔が小さく見える効果があったり、アクセサリーとしての存在感をアピールできます。また、フォーマルな場や入学式・卒業式といったイベントでも一層華やかに見せることができます。
場所別おすすめブローチの付け方と位置
ブローチは場所や付け方を工夫することで印象を大きく変えることができます。
ラペル(スーツの上襟に続く折り返しの部分)や襟元に付けると、顔周りが華やかになり、洋服にアクセントをつけることができます。
ワンピースやブラウスのウエストに付けると、シンプルなデザインも素敵に見える上、スタイルアップ効果も期待できます。
ポケットの角にブローチを付ければ、遊び心ある装いに。
ショールやストールの止めとして、実用的かつおしゃれに活用できます。
また、ブローチの素材やデザインを考慮するなら、フォーマルな場ではパールやゴールドのものがおすすめです。卒業式や入学式などの晴れの日のセレモニーや結婚式など、格式のあるイベントには上品な淡水パールが人気です。
このように、場所別のブローチの付け方と位置を選ぶことで、それぞれの場面に合わせてコーディネートが楽しめます。
オシャレにみえる位置にブローチをつけることができるか不安な人は、服を着る前にブローチをつけてみると良いでしょう。事前に位置を確認できますのでバランスの良い位置につけられるようになりますよ。それでもつける位置に迷った時は自分が思っているよりもやや上になるようにつけてみてください。ブローチをつけた後は全身を鏡でチェックして全体のバランスをみて、細かな位置を調整してくださいね。
ぜひ、自分の個性やシーンに合わせてブローチを上手に取り入れて、おしゃれな着こなしを楽しんでください。
穴が目立たないブローチの付け方4選
「ブローチをつけてみたいけれど、服に穴が空いてしまうのが気になる……」と心配になる方もいるのではありませんか?
たしかに、ブローチはピン(針)を刺してとめるため、どうしても生地に穴があいてしまいます。それでもこの穴をできるだけ広げないようにすれば、服の穴は誰でも簡単に目立たなくさせることができます。ポイントは、いかにブローチの重みで生地をいたませないようにするかというところです。穴が目立たないブローチの付け方を4つご紹介していきます。
1:ピンの幅いっぱいに生地を挟み留める方法
ブローチのピンの幅いっぱいまで生地をすくって留める方法です。
ブローチのピンで挟む生地が少ないと、動くたびにブローチの重みでピンがずれて穴が広がりやすくなってしまいます。ブローチを動きにくくするためには、できるだけピンの幅いっぱいに生地をすくうようにするのがポイントです。②や④の方法をしなくても、最低でもこの方法だけはするようにしておくと、洋服の生地を傷めにくくなりますので、ぜひ試してみてくださいね。
2:波縫いのように生地をすくいながら留める方法
2つ目は並縫いの要領で何度か生地をすくいながら留める方法です。
波縫いのように生地をすくうことで生地にかかる力が分散し、穴が広がりづらくなります。この方法は重いブローチをつける際や、①や④の方法との併用にもオススメです。
最近ではブローチ用のマグネットのアジャスターも販売されています。マグネットアジャスターをブローチにつけることで、洋服に穴をあけなくてもブローチと洋服を挟み込み留めることができるようになりますので、そういったアイテムを活用してみるのも良いでしょう。
また、ブローチをつける位置自体を襟元やポケットの上など、もともと服の生地が重なっている部分に留める方法も、④のあて布をあてる方法と同じ効果がありますのでオススメです。
3:マスキングテープなどで補強する方法
3つ目は、ブローチのピンを刺す洋服や生地の裏側にマスキングテープやセロテープ、絆創膏などを貼る方法です。生地を補強することで、隙間を減らし、あて布をした時と同じようにピンであいた穴が広がりにくくなります。
絆創膏を使用する場合は絆創膏の粘着力のあるテープの部分ではなく、ガーゼ部分にピンを刺す方が安定します。またマスキングテープや絆創膏など粘着力のあるテープを使う場合にはブローチを付ける前に、先にブローチのピンで穴を開けておくと、ブローチをつける際にピンを楽に刺すことができます。テープを貼ってからブローチを通そうとするとなかなか通らず生地に負担がかかってしまいます。
4:裏にあて布をする方法
4つ目は、裏にブローチのピンが通しやすいフェルトなどの厚みのある生地や接着芯などのしっかりした生地を使う方法です。
- フェルトや接着芯などのあて布をブローチのピンの長さよりひとまわり大きいサイズにカットします
- 服と身体の間にあたる位置にあて布を挟み、普段通りブローチのピンを通します
ピンと服の隙間をできるだけ小さくしたり、無くしたりすることでブローチが安定し、ピンが動きづらくなるため、穴が大きくなりづらかったり生地に負担がかかるのを防ぐ効果があります。
ブローチをつけた時に下を向いたり、ぐらついてしまう場合の修正方法
ブローチをつけるときに下をむいてしまったり、動くたびにグラグラしてしまったりなんてことはありませんか?
そんな時はブローチの留め方に問題があるのかもしれません。
洋服の生地に穴が開いてしまうのが嫌で、ブローチのピンを留める時に、できるだけ少ししか生地をすくわないで留める人も多いかもしれませんが、これは間違いです。生地を少ししかすくわないことで、ブローチの重さがピンポイントに生地に加わってしまい、ブローチが下を向いてしまったり、ぐらついてしまう原因になってしまうからです。
重みのあるブローチをつける際のポイントは、ピンの幅いっぱいまでしっかり生地をすくうことです。ブローチのピンの幅いっぱいまで生地をすくうことでブローチが服に密着し、ブローチがずれなくなり穴が広がりにくくなるだけでなく、生地にも負担がかかりにくくなります。また重みのあるブローチは厚手の生地や厚手のウールコートなどもともとしっかりした生地につけるのがオススメです
また、生地の中でも薄いものにブローチをつける場合はできるだけ重さが軽いブローチを選んだり、ポケットや襟元なのど服の生地が重なるような場所を選んでつけるようにしましょう。お洋服の生地が薄くどうしてもブローチの重さが耐えられない場合、洋服の生地を厚くしてあげることで解決することが可能です。使うのは接着芯。
接着芯とは、手芸される方ならおなじみの素材の一つ。樹脂が吹き付けてある布のことで、布に張りを持たせたり、型くずれを防いだり、薄い生地の強度を増したりする役割があります。100均などで買える接着芯は不織布タイプで軽くて薄く強度はあまりない場合が多いよう。手芸屋さんで買える接着芯は、薄手でもしっかりしており、メッシュ状になっているものもあります。
これを応用して、お洋服の生地の裏に接着芯をあてて、ブローチをつける部分の生地を補強します。
- 接着芯をブローチより一回り大きいサイズにカットして、ブローチをつけたい生地の裏にあてます。
- ブローチをつける際は、①の接着芯ごとピンをさします。この時気ピン幅いっぱいまで生地をすくうようにして下さい。
ブローチと一緒に接着芯をさすだけなので、とても簡単です。これをするだけでもブローチが下を向いてしまうことが緩和されます。もし、接着芯一枚だけではブローチがまだ下を向いてしまうという場合は、肌とブローチのピンの隙間がなくなるように接着芯を2枚重ねにして更に補強してあげたり、フエルトなどもともと厚い生地と一緒に使うと良いでしょう。
もともとお肌が弱い方や、接着芯独特のザラっとした感じが直接素肌にあたると嫌な場合は、接着芯は片側にアイロンの熱でつく接着剤がついていますので、いらなくなった綿のTシャツ生地や手芸で残った生地など何でもよいので貼り付けておくと良いでしょう。ブローチの大きさにあわせて何枚かサイズ違いや厚み違いで接着芯のパーツを作っておけば、ブローチにあわせて使うことができるので便利です。
パーツをつくるのが面倒だな~と思う人には女性の方限定になりますが、こんな裏技もありますよ。
ニットやブラウスに着ける時、ブラの肩紐にピンが通るようにつける
たったこれだけですが、重みのあるブローチやニットなどに着けたい時もブローチの重みで穴が広がったり、下向きになるのを防ぐことができます。お手軽なので気になったらぜひ試してみてくださいね。
ブローチを外したあとの穴を目立たなくする方法
ブローチを外したあとは意外にピン穴が目立ってしまっていることも。。。ブローチをつけたのが、お値段の高いジャケットやコートなら悲しくなってしまいますね。どんな服でも何回もつけたり外したりを繰り返すと沢山の穴があいてしまいます。でも、気になるからと言って、無理に生地を引っ張ったり、手でこすったりすると生地が痛んでしまいます。気になるピンの穴は、実は思っているより簡単に元に戻すことができるんです。
手順を踏んでお手入れしていきましょう。
スチームアイロンでブローチのピン穴に蒸気をあて、アイロンの先で優しく上下左右に伸ばしながら押さえます。30秒ほど蒸気をあてると、どこに穴があいていたかわからない位目立たなくなります
洋服の生地というものは基本的に縦糸と横糸を織ってできています。一見、ブローチで穴があいたように見えても、実際はピンで縦糸と横糸が上下左右に押し広げられた状態になっているだけで、糸が切れてしまって穴があいているわけではありません。そのためこの穴にスチームアイロンの蒸気をあてることで、縦と横に押されてつぶされていた糸が膨張して元の位置に戻り、穴が小さくなるというわけなのです。
穴を元にもどせるとなれば、ブローチも安心して使えますので、出番も多くなりそうですね。とはいっても糸が切れて穴があいてしまった場合はいくら蒸気をあてても元に戻せませんので、上でお話ししたように穴をあけないようなつけ方をするようにしましょう。
まとめ: ブローチを楽しむためのスキルとアイデア
いかがでしたか?
ブローチは様々な場所に付けることでコーディネートが広がり雰囲気をガラッと変えることができます。ブローチは、ポイントを押さえて正しい着け方をすることが重要です。傾く・下を向くという問題もブローチのピン穴が開いてしまう問題も対処法がありますので、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
お気に入りのブローチでおしゃれをもっともっと楽しんでみてください。次回のお出かけへの期待も高まって、きっと楽しい時間になりますよ!次はどんなブローチに出会えるか、楽しみながら探してみましょう。