小さく可憐な花姿と柔らかな香りが魅力のスズランは、日本やヨーロッパでも人気を集める植物です。春の訪れを知らせる代表的な花であるスズランには多くの品種が存在し、それぞれの時期に咲き魅力を放ちます。
なぜ多くの人が贈り物やお祝いにスズランをプレゼントするのでしょうか?
今回はスズランの魅力や開花時期、花言葉や誕生花はもちろん、あなたの気持ちを伝えるのにピッタリなスズランモチーフのプレゼントをご紹介していきます。読めばスズランが持つ素敵な魅力を感じられ、春の訪れを楽しむことができるでしょう。
スズラン(鈴蘭)とは?春に咲く可憐な花の魅力
すずらんは春の訪れを感じさせる可憐な植物で、すがすがしい緑の葉の合間に白い花が揺れ動く姿が魅力です。原産地はヨーロッパや日本など広範囲にわたります。小さな花が集まる姿は純粋な気持ちを表すともいわれ、愛や幸福を願う象徴として親しまれており、花束や贈り物に添えると喜ばれます。うつむくようにひっそりと咲く形には奥ゆかしささえ感じられます。

歴史的な神話の中でもスズランは人々の心をとらえる存在とされ、多くの国で春を彩る花として重んじられています。日本でも縁起の良い花として愛されており、「鈴蘭」の名が示すように澄んだ音色を思わせる可憐な姿が印象的です。
スズランの開花時期・季節はいつ?見頃や美しい花姿を楽しむためのポイント
スズランは、キジカクシ科の多年草です。スズランの開花時期は4月から5月頃で、気温が穏やかな季節に育ちやすく、ちょうど春の陽気が深まる頃に小さな釣り鐘状の可憐な花を咲かせます。名前に「ラン」とはいっていますが、ラン科ではないので蘭の仲間ではありません。
五月上旬には「スズランの日」があり、フランス発祥の習慣では大切な人へ贈り物として用いられ、幸福が訪れるといわれています。伸びやかな葉と清楚な花の組み合わせが美しく、涼しげな雰囲気を楽しむのにぴったりの花です。鉢植えや切り花で飾る場合は、直射日光を避けながら適度な水やりを心がけると長く姿を保てます。愛らしい花姿と爽やかな香りが魅力なので、ちょうど見頃となる春の時期に観賞すると心が弾みます。
日本やヨーロッパでも大人気!スズランの香りや雰囲気の魅力とは?
スズランは日本やヨーロッパで幅広く愛される花で、国ごとに多様な品種が楽しまれています。草丈は5~10cm程と低く、1センチほどの鈴のような花が並んで咲き、清楚な花姿が人気の植物です。
物名 | スズラン |
学名 | Convallaria majalis |
英名 | lily of the valley |
科名 | キジカクシ科 |
属名 | スズラン属 |
原産地 | ヨーロッパ、アジア |
開花期 | 5月~6月 |
開花時期は5月~6月頃ですが、フラワーショップや園芸店などでは3月くらいから見ることができます。香りもよく、バラ、ジャスミンと並び3大フローラルノートといわれています。上品で清楚なみずみずしい香りを放つスズランの花は、オードトワレやボディクリームなど、香水の原材料としても使われています。
ドイツスズラン
ドイツスズランは、葉の長さは15cm~20cm程度で幅が広く、花が大きく、花がつく茎は葉と同じくらいの高さかそれより高く伸び、丈夫で育てやすいため、園芸用として高い人気を誇っており、日本で栽培されているほとんどの鈴蘭がドイツスズランになるそうです。

香りが豊富なため、ヨーロッパ原産の代表的な種類として注目されています。純潔や可憐といったイメージもあるので、パーティーやお祝いのアレンジメントとして利用されることも多いです。
日本スズラン
一方で日本の自生種である日本スズランは暑さや湿気に弱いため、本州中部以北~北海道など涼しい地域で主に見かけられます。天然記念物でもある奈良県の「吐山スズラン群落」や「向淵スズラン群落」などが有名です。
ドイツスズランよりも細く花は小さめで、花がつく茎の丈も低め、葉に隠れるようにひっそりと咲きます。

繊細な白い花が群れて咲く姿は愛らしく、そっと顔を寄せると清らかな香りにも癒やされます。
すずらんは、シンプルな花束にしても魅力が際立ち、そのまま飾るだけで上品な雰囲気を演出します。花言葉の純粋や幸福を背景に、女性からも男性からも人気が高いフラワーです。日本やヨーロッパをはじめとして、多くの国で春の訪れを象徴する大切な花として受け継がれています。
スズランの名前の由来と和名「鈴蘭」の意味は?名前に込められた深いイメージ
スズランの名前は、白く小さな鈴のような花と、葉が蘭の仲間を連想させることから名づけられました。ただし実際の分類としてはラン科ではなく、独自の性質をもつ植物です。学名の「Convallaria majalis」は、ラテン語で「谷」を意味する「Convallaria」と「5月に花が咲く」を示す「majalis」に由来するとされ、まさに春の息吹を感じさせる名前になっています。

英名の「lily of the valley」は谷間のユリという意味で、可憐なユリの姿を思い起こさせます。和名の「鈴蘭」は、澄んだ音色を想起させる花形と、やわらかな蘭の葉に似た姿が組み合わさったものです。古くから君影草(きみかげそう)とも呼ばれ、目立たないようでいて、その純粋な美しさは人の心を惹きつけてきました。名前の響きには優美さと奥ゆかしさがあり、春を告げる花として日本でも深い愛着をもたれています。
すずらんと呼ばれるようになったのは、お花の形にあります。
すずらんのお花の見た目は、下を向いて丸く咲くため、まるで鈴のように見えることから「すず」という名前を貰い、葉っぱがラン科の植物にも似ていることから「らん」という名前を合わせて「すずらん」と呼ばれるようになったと言われています。
人に贈る時に、こういった小話も一緒に話せるとおしゃれですね◎
スズランはフランス語で何という?
スズランはフランス語で「muguet(ミュゲ)」といいます。スズランの日をフランスでは「ミュゲの日」とも言います。フランスでは5月1日になると、街のいたるところでスズランが売られます。
スズランの花は「聖母マリアの涙」ともいわれ、ブライダルで花嫁にプレゼントする花としても使われます。
贈る前に知っておきたい!スズランをプレゼントする際の注意点とマナー
純粋で清らかな魅力を持つスズランですが、有毒性を含む点には注意が必要です。小さなお子さんやペットが誤って口に入れると危険なため、プレゼントを渡す際には飾り方に配慮してもらうように相手へ一言添えると安心です。相手の状況を思いやる心が伝わり、さらに喜びを分かち合えます。
スズランの有毒性は、見た目の可憐さからは想像しにくいリスクですが、気をつけることで安全に楽しめます。もし不安がある場合は生花や鉢植えではなくスズランモチーフのアイテムをプレゼントするのがよいでしょう。
スズランモチーフのプレゼント
スズランの花言葉
スズランの花言葉には「幸福の再来」「純粋」「謙虚」などが挙げられ、ヨーロッパでは聖母マリアと深い結びつきがある花として知られています。その由来は、小さな白い花が寄り添う姿や、谷間でひっそりと咲くイメージに由来するといわれ、見る人の心を和ませる意味が含まれています。
愛らしい形や清楚な香りが人の心を癒やし、大切な相手へ想いを届ける季節のギフトとして人気があります。花びらが鈴のように垂れ下がる可憐な姿からは、愛情を静かに育む温かみを感じます。さらに「純潔」「あふれ出る美しさ」など、美しく控えめな魅力を伝える意味も多く、花色や咲く時期によって柔らかな印象を与えてくれます。
幸せにまつわる花言葉が多いのは、北国でもあるヨーロッパの住民にとって、暖かな日射しが差し込む春は待ちわびた季節でもあります。そのため、春が訪れたことを心から祝福したことに例えたとされています。

スズランの花言葉:「幸福の再来」
スズランは古くからヨーロッパで聖母マリアの花とされ、やさしく可憐な姿が聖性の象徴とみなされてきました。その背景が「幸福の再来」という花言葉にもつながり、一度失われた幸せが再び訪れると信じられているのです。

清らかな見た目や小さな白い花がそっと寄り添う姿は、心を落ち着かせてくれます。谷間に咲く可憐な草姿はひっそりとした強さを感じさせ、人に寄り添うような愛らしさをもっています。
昔から結婚式や大切な記念日、出産祝いなどに贈られる機会も多く、そっと相手への気持ちを伝える花として重宝されています。ささやかな一輪でも深い意味を宿すので、大切なタイミングに取り入れると特別なメッセージを届けられます。
スズランの花言葉:「謙虚」
大きな葉に隠れてしまうほど小さい花の特徴から、つつしみ深さを感じるために「謙虚」という花言葉がつけられたとされています。「謙虚」は控えで慎み深い聖母マリアにちなんでいるとも言われています。
スズランの花言葉:「純粋」
ベルの形をした純白のすずらんは、清らかな心を表しており、その美しさから「純粋」の象徴とされています。「スズラン」の花の形が、聖母マリアが被っているベールに似ているため、ヨーロッパでは聖母マリアの花とされてきました。純白でどことなく控えめな印象があるスズランらしい花言葉となっています。
スズランの花言葉には怖い意味もある?注意すべき花言葉とその背景
花言葉には裏の意味が潜む場合もあり、スズランにも怖い意味があるのではと気になることがあります。スズランは一般的には「幸福の再来」や「純粋」などポジティブなイメージで知られており、実際には暗い由来が残されているという確かな記録は少ないとされています。
バラのように色や状況によっては嫉妬や冷淡を連想させる例もありますが、スズランの場合は明るい花言葉が主体です。ただし、うつむいて咲く花姿から切なさを感じる人や花や根に有毒物質が含まれていることから、そのイメージを怖い意味だと感じる場合もあるでしょう。植物にはさまざまな解釈があるため、贈る相手の心に配慮しつつ、気持ちを伝えることが大切です。
意外と知らない!スズランの花言葉を色別に解説|

スズランと言えば、白い花をイメージする方がほとんどかと思いますが、品種によっては、ピンクや黄色・薄紫色などの花を咲かせることもあります。
色によって印象が変わるため、贈り物のシーンや相手に込めるメッセージを意識して選ぶのがおすすめです。
白のスズランは「純粋な愛」「高潔な美徳」を示すとされ、澄んだイメージがありウェディングなどのお祝いにも適しています。また、清純で幸福を願う意味があるため、誕生日や記念日のギフトに喜ばれます。
ピンク色のスズランは「かわいらしい」「愛らしい」という意味をもち、ささやかなやさしさを伝えたいときにぴったりです。ピンクのスズランは、フラワーショップで出会うことも珍しい色ですが、その希少性から特別感を演出してくれます。ピンク色は女性的な魅力をプラスしたり、愛らしさが演出できるので、母の日や女性へのお祝いにおすすめです。

紫のスズランは、落ち着いたイメージや高貴な印象があるので、尊敬する目上の方への贈り物にぴったりです。
白いスズラン | 「純粋な愛」「高潔な美徳」 |
ピンクのスズラン | 「かわいらしい」「愛らしい」 |
紫のスズラン | 「神秘的」「哀愁」「優雅」「上品」「ミステリアス」 |
黄色のスズラン | 「幸福」「友情」「希望」「明るさ」「温かさ」「親しみ」 |
小さくうつむく花の形はどの色でも可憐で、スズラン本来の清らかな魅力を引き立てます。いずれも大事な人の幸せを祈るときや新しい門出を祝うときなどに用いられてきました。ただし、花や葉には毒性があるため、小さなお子さんやペットがいる家庭へ贈る場合は相手に注意を伝えましょう。好みやシーンに合わせてスズランの色を選ぶと、可憐な姿と相まって特別な気持ちが伝わります。
スズランの誕生花は何月何日?誕生日や記念日のお祝いに最適な理由とは
スズランの誕生花は5月1日、5月2日、5月24日、5月28日です。
春の到来を祝い、受け取った人には幸福が訪れるといわれるため、誕生日や記念日にも最適です。白い花姿にはやわらかな愛情が感じられ、何気ない日常に彩りを添えてくれます。一輪や小さなブーケでも気持ちが伝わり、さりげないメッセージを届けられる花として重宝されています。甘い香りと可憐な花が相手の心に残り、お祝いの印象をさらに深めてくれます。
幸運が訪れる「スズランの日」

5月1日はフランスで「ラ・フェット・デュ・トリニタール」と呼ばれ、労働者の日としても知られています。この日に恋人や親しい人にスズランを贈る習慣は、純粋さや幸福を象徴するスズランの花を相手のもとへ届けることで、春の訪れや新しい始まりを祝う意味合いがあります。
白く小さな鈴のようなスズランの花が連なった姿に、愛や幸福への思いや「幸運が訪れるように」という願いを込めて贈られてきました。
スズランが贈られるきっかけとなった出来事は1561年頃にまでさかのぼります。ヴァロワ朝第12代フランス王のシャルル9世が10歳の時に、すずらんを側近からプレゼントされ、「受け取ると幸運をもたらす」という鈴蘭の花言葉に感動したシャルル9世はその象徴的な意味を広めるため、毎年5月1日に宮廷の女性たちにすずらんを贈るようになったことがはじまりとされています。
シャルル9世の時代から続くこの風習は、幸運や始まりの象徴として大切にされ、季節のイベントとして定着しています。心を込めて贈るスズランがあるだけで、恋人や家族、友人など大切な人に日頃の感謝や愛情をさりげなく示すことができます。スズランの可憐な香りとともに笑顔まで広がるように、あなたの大切な人にもさり気なくすずらんを贈って、幸運が訪れるように祈りたいものですね。
スズランの花誕生の伝説
スズランは清らかなイメージもあり、昔から神話や伝承の中で大切に語られてきました。スズランの花の誕生にまつわる伝説は諸説ありますが、特に有名なのがイングランド・サセックス地方に伝わる話です。
森の守護神である聖レオナードは、ある時、森の中で恐ろしい火や毒を吐くドラゴン(大蛇の場合もあり)と遭遇し、3日3晩戦い続けます。4日目の朝、ついにドラゴンを倒しますが、深い傷を負い、その場に倒れ込んでしまいます。彼の血がしたたり落ちた場所は聖地となり、森の精霊たちがレオナードの武勇を称え、レオナードを癒すためにその場に咲かせたのがスズランの花だったといわれています。
美しきロイヤルプリンセスやハリウッド女優にも愛された花

花を愛し、花文化本も出版した20世紀のハリウッド女優、グレース・ケリーもスズランを愛したひとり。彼女はモナコ公国の君主・レーニエ3世と電撃婚し映画界から去りました。その結婚式でブーケに選んだ花がスズランです。
また、イギリスのセント・ポール大聖堂にてチャールズ皇太子と結婚した故ダイアナ元妃のブーケは、クチナシやラン、フリージア、スズランをミックスした1mの長さのあるキャスケードブーケ。
ダイアナ妃の子供であるウィリアム皇太子とキャサリン妃がブーケに選んだのは、「幸福の再来」を象徴するスズラン、「勇敢」を花言葉に持つスイート・ウィリアム(アメリカナデシコ)、「不変の愛」を意味するヒヤシンス、「結婚」と「愛」の象徴であるマートル。メーガン妃のブーケに使われたのは、ダイアナ妃が愛したケンジントン宮殿の庭でヘンリー王子が摘んだスズラン、マートル、忘れな草です。
歴代のロイヤルプリンセスやハリウッド女優、海外のセレブ達にもスズランは愛されてきました。鈴なりの花が連なったスズランのブーケはとてもかわいらしく、また、「愛の幸運」「正しい選択」の花言葉もウエディングにはぴったりです。
まとめ
いかがでしたか?昔から長く愛されてきたスズランには、いくつもの魅力があります。その可憐な花姿は大切な相手への愛や感謝を伝える贈り物にぴったりです。
スズランの優雅なイメージは、花嫁さんや特別な記念日の演出に最適だと感じます。日ごろの感謝の気持ちをカタチにしたい時にもおすすめです。
次はあなたの大切な誰かへスズランを届けてみてはいかがでしょうか。
あなたの大切な人に幸運が訪れますように。。。
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