Jeweliss Little Tales Hidden Within a Flower
それはジュエリスのブローチに隠された小さな物語。
昔々、夜空と海のあいだにあるという秘密の庭に、星を集める花が咲いていました。
その庭は、空からこぼれた星の光と、海が映し返す銀色のさざ波が出会う場所。
深い藍色の空の下には鏡のように静かな海が広がり、その境目には白い花々が咲き誇っていました。
花びらには朝露のような透明な光が宿り、ときおり薔薇色の星のかけらが風に舞ってきらめいていました。
その花は昼間は白く可憐な姿をしていますが、
夜になると花びらをそっと開き、空から落ちてくる星のかけらを受け止めるのです。
ある晩、一粒の小さな星が舞い降りました。
その星は、いつか夜空を横切る美しい流れ星になることを夢見ていました。
けれど誰かより強く輝こうとするたび、光はかえって弱くなってしまいます。
そしてとうとう、自分の居場所を見失ってしまいました。
「ぼくは流れ星になれなかったんだ。」
少し寂しそうなその星を見つけた花は、やさしく花びらを広げました。
「大丈夫。誰も見ていなくても、あなたはちゃんと輝いているわ。」
星は安心したように微笑み、花の中心で静かに光り始めました。

それからというもの、行き先をなくした星たちが少しずつ庭へ集まるようになりました。
銀色に輝く星。
朝露のように透き通った星。
そして、とても珍しい薔薇色の星。
その薔薇色の星は、優しい想いが空へ届いたときにだけ生まれる特別な星だといわれていました。
花はどの星も分け隔てなく迎え入れ、その光を大切そうに花びらの中へ抱きました。
すると花びらの奥には、銀色や薔薇色の光が少しずつ積み重なっていきます。
そして不思議なことに、
白い花びらは星々の輝きを映して、前よりもいっそう美しく光るようになったのです。

やがて花は気づきます。
美しさとは、自分だけが輝くことではなく、誰かの光を受け止め、そっと寄り添うことなのだと。
その夜もまた、銀色の星と薔薇色の星に囲まれながら、花は静かに咲き続けます。
まるで宝物を抱くように、集めた星々の光を胸いっぱいに宿しながら。
