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月明かりの花束 【完全版】

ジュエリスのブローチに隠された小さな物語 月明かりの花束 完全版
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それはジュエリスのブローチに隠された小さな物語。

石造りの白い家々が並ぶ、小さな海辺の町がありました。
窓からは暖かな灯りが漏れて、満月の光は静かな入り江に映り込んでいました。
遠くには小さな灯台が見え、
海から吹く穏やかな風は花々の香りを乗せて町をやさしく包んでいました。

そんな町の近くには、夜になるとだけ咲く不思議な花畑があったのです。
そこには美しい金色の花々に混じって、
星くずのように小さな白い花を咲かせるカスミソウが揺れていました。

満月の夜になると、花たちは月の光を集め、花びらをやさしく輝かせます。
ある夜、花たちは話し合っていました。
「私たちの光を、誰かのもとへ届けられたら素敵ね。」

すると、いつも控えめなカスミソウが小さな声で言いました。
「私は大きな花のように目立たないけれど、
  小さな光を集めれば、きっと誰かを幸せにできると思うの。」
その言葉を聞いた花たちはうれしくなり、それぞれが集めた月明かりを持ち寄りました。

金色の花々の輝きと、カスミソウが集めた真珠のような白い光が重なり合い、
やがて一つの美しい花束が生まれました。

花束は夜風に乗って町を巡り、眠る人々の窓辺へそっと幸せを届けました。
翌朝、人々は不思議と心が軽くなり、大切な人へ「ありがとう」を伝えたくなったそうです。

それ以来、満月の夜になるたび、金色の花々とカスミソウは力を合わせ、
誰かの笑顔のために光の花束を作り続けているのだと伝えられています。

だから今も、夜風がやさしく吹く満月の夜には、
どこかの窓辺に小さな幸せを届ける光の花束が、そっと生まれているのかもしれません。

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